サニーは街を歩いていると一人の青年に呼ばれた。彼の名はモリス。弟のジョニーに妻ジュリーを殺されたから仇討をして欲しいとのことだった。現場となった家に着くとそこにはジュリーの惨殺体と包丁を持ったジョニーがいた。

「あいつがやったんだ。」
サニーは言われるがままジョニーに掴みかかった。しかしジョニーは何故か震えていた。

「俺はやってない。モリスにはめられたんだ!」
ジョニーの言葉に驚くサニー。
「これは一体どう言うことなの?」
ジョニーはサニーに一部始終を話し始めた。

「俺は産まれた時からモリスにいじめられていて愛されたことは一度もなかったんだ。気に食わないことがあればいつも俺が標的で殴られたり蹴られたりの日々だった。でも親がモリスを危険視したおかげでモリスは施設に預けられてようやく平和に暮らせるようになったんだ。その後施設を出た頃には親は既に亡くなっていたが俺はジュリーと出会い結婚した・・・」

結婚と言い出したところで突然サニーが遮った。
「結婚って奥さんはモリスと結婚したんじゃ・・・」
「あれはモリスの嘘で本当は俺の妻なんだ。ジュリーと結婚したことをモリスに報告したら血相を変えて俺は殴り飛ばされて気を失って倒れて、それで気がついたときにはジュリーは見るも無残な姿に変わり果てて倒れていたんだ。その上気がついたときには手に包丁を持たされていた。」
話を聞いたサニーはモリスに掴みかかった。

「私達を騙してたのね!」
怒りをにじませるサニー。するとモリスは本性を顕にした。

「ああそうだよ。俺は弟が邪魔で邪魔で仕方なかったんだからな!弟が生まれる前は何もかも自由だった。けど弟が生まれてからいろいろ縛られるのが嫌だったから弟を虐げいつかは殺そうと思ってた!その上弟はこの俺を差し置いて先に結婚しやがって!ただ単に甚振るのは面白くないから義妹を殺して弟が殺したように見せかけ有りもしない罪をかぶせた上で殺すつもりでいたからねえ。」

モリスは時折感情が高ぶりながらも全てを明かした。あまりの非道にサニーはモリスを殴り飛ばすとこう叫んだ。
「あんたのせいで弟がどれほど苦しい思いしたのか分かってんの!?」

「苦しみだと?そんなの知るか!弟さえ産まれなければ俺はこうならなかった。ジョニー、てめえの存在が世間には迷惑なんだよ!!死ね!くたばれ!!この死に損ないが!!」
モリスは矛先をジョニーに向けると殴る蹴るの暴行を加え始めた。サニーはモリスを止めようとするが、怒り狂ったモリスの力は凄まじく手に負えない。

「これでくたばりやがれえええええええええええええっ!!!!!!!!!!!!!!!!」
モリスは包丁を振りかざし、ジョニーに止めを刺そうとした。しかし

ドドドドドドドドドドッ

背後から放たれたサニーのマシンガンに倒れ、ジョニーの殺害は未遂に終わった。一方のジョニーは意識を失い生死をさまよっていたが、搬送先の病院で意識を取り戻した。

身勝手な欲望はエスカレートすると時として思わぬ事態を招くこともあり、非常に恐ろしいものだ。

終わり

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